こんな時にしか聴けないと思い、4枚組の超大作を聴いております。
Pヴァインからリリースされている「戦前ブルースのすべて」(PCD-18524) 、これは「RCAブルースの古典」とダブらない選曲で、戦前ブルースの、より突っ込んだディープな内容のものがたくさん収録された、初心者にもマニアにもたまらんボックスなのですが、いやいや、改めて聴くとサン・ハウス、ブラインド・ボーイ・フラー、ブラインド・レモン・ジェファソン、スキップ・ジェイムス辺りの”有名人”の音源よりも、レミュエル・ジョーンズ、ジミー・ストロザース、ワシントン・フィリップスとかいった「ここで聴けなきゃどこで聴けるんですか?」ぐらいの無名ブルースマン達の熱演や熱唱に惹かれます。
ほとんどが「ブルース以前」を感じさせる、トラッド調、ワークソング調、フィールドハラー調のものばかりなんですが、特にこのコンピの記念すべきオープニングを飾るレミュエル・ジョーンズのアカペラがいいですよ。
何でも囚人として服役中にレコーディングが行われたから楽器伴奏の付かないアカペラだったといいますが、このプリミティヴさ。「あぁ、ブルース聴いてて良かったな~・・・」としみじみ思わせる深みとコクがあります。